羽子板・破魔弓

破魔弓 破魔弓は、魔除けの厄払いのお守りで、神社などに古くから置かれ、神事に使われていました。  平安時代中期には、皇子が誕生した時の魔除けとして鳴弦の儀式を行われました。

現在のような形の破魔弓が出来上がったのは鎌倉時代で、武家や町人の家に男の子ができると、初正月の祝いに破魔弓を贈る習慣が生まれ、伝統としていきづいています。

「魔を破る矢のごとく、健やかに、たくましく育ってほしい。」との願いが込められています。

破魔弓の羽根の種類と特徴

破魔弓の種類1.フクロウ
全身灰褐色の地で、黄白色や褐色の斑がある。風切羽の周辺には綿毛が生え羽ばたきの音を和らげる効果がある。そのため、羽根が大変柔らかいのが特徴である。

2.ガチョウ
野生の雁を飼いならして家禽化(飼育)したもの。矢羽に使用されるものは手羽先の固い部分。胸の柔らかい部分は、羽毛布団などに幅広く利用されている。

3.キジホロ
雉の手羽の部分で、淡い茶色の縞模様が美しい。雉は日本固有の鳥で、1947年に国鳥に指定され親しまれている。

4.銀鶏
キジ科に属し原産は中国。首元の羽根は白地に藍色の柄があり、その美しさから、高級品として破魔弓飾りに多く用いられている。金鶏と同様、広く飼われている。

5.金鶏
キジ科に属し原産は中国。橙地に青黒い横縞の羽根が特徴で飼い鳥として愛好者も多い。雄の尾羽は70cm位になる。


羽子板 羽子板は、室町時代より、お正月の羽根突き遊びに使ったり、新年を迎える際のお祝いの飾り用のものとに分かれていました。

女の子の初正月に羽子板を贈り、飾る習慣があります。これは邪気を払うという昔からの伝承であり、女児が健やかに美しく育つようにという願いが込められています。

羽根突きで使用する黒くて硬い羽の玉は「ムクロジ」という大木の種で、漢字で書くと『無患子』と書き、子供が患(わずら)わ無いと言う意味になることから羽子板の由来と言われています。


羽子板の図柄

羽子板の図柄藤娘
一面に咲き誇る藤の花、その精かと思われるような美しい娘が、藤の小枝をかざしながら姿をあらわします。やがて恋心のさまざまを踊りつづけます。行儀の良い子になり、良縁に恵まれるようにとの願いを込めて・・・

道成寺
白拍子の花子が、道成寺の鐘供養に来て、寺僧に望まれて釣鐘の前で舞います。はじめは金冠をかぶり中啓をもって荘重に、あとは笠をもったり、羯鼓を打つなどして華麗に舞い踊ります。将来幸せになるようにとの願いを込めて・・・

浅妻
浅妻の里の舟女をモデルにした江戸時代の画家、英一蝶の絵を舞踏化したものです。月夜の海に浮かぶ舟の中で鼓を打ちながら美しい白拍子姿で舞います。幸せを汲み、良き縁を作るようにとの願いを込めて・・・

汐汲
都に帰っていった在原行平を思い慕う海女の松風。海の水を汲む桶を肩にかけて踊ります。情緒豊かに育ち、幸せな日々を送るようにとの願いを込めて・・・

毬飾り
女の子の初正月を祝う羽子板に添えられる錦糸で彩られた飾り鞠は、ただ華やかさを増すためではなく、丸く健やかに美しく育つようにとの願いが込められています。