男の子の節句

五月人形 鎧・兜は戦いの身体防具として身を守るという大切な役目をもっているため、五月人形の中心の飾りになりました。

男の子の誕生を祝い、無事に大きくなるために、その子の代わりに厄を受け取ります。
言いかえれば『お守り』ということなのです。

強く、立派な男の子になるように、という家族の願いがあります。つまり、鎧・兜が身を守って、その子が交通事故や病気になりませんように、受験・就職・結婚など、人生の幸福に恵まれますようにという想いが込められているのです。

鎧・兜 各部の名称

鎧・兜・各部の名称
鎧 ■鎧・兜が傾かない安定した場所に飾ってください。
■飾る場所を決めて、その場所で組み立ててください。飾る場所に移動させる場合、はずみで、鎧・兜が倒れ、鍬形などで怪我をする危険があります。
■飾りつけは春分の日頃から遅くとも4月中旬までに飾り、5月中旬(地域によって異なる)までの天気の良い日にしまうのが一般的です。慌てて前日に飾るのは「一夜飾り」といって縁起が悪いとされているので気をつけましょう。
■金物や道具類などの塗装部分に脂のついた手で触れると、脂が残り、ホコリがつきやすくなり、色あせや、さびの原因にもなりますので、飾り付けの際は、手袋をしてください。
■カラッと晴れた日を選んでしまいましょう。櫃は日陰で風を通し、房の部分は、荒めの櫛で丁寧にすき、薄紙で包んでおくと美しい状態に保ち続けます。
■しまう前に毛バタキなどでホコリを丁寧に払い落としてください。、飾り金具や鍬形など、金属部分に指紋が着いている場合はぬるま湯を浸した柔らかい布で丁寧に拭きとってください。
■防虫剤を多量に入れますと、化学変化を起こし、金属が腐食する恐れがありますので、金属部分に直接触れないように注意し、適量をご使用ください。
■湿気が少なく、通気の良い暗所に保管されるのが理想的です。
鯉のぼり
男の赤ちゃんが生まれて初めて迎える五月五日の端午の節句を初節句といってお祝いします。生まれたばかりの赤ちゃんが、丈夫にたくましい男性に成長するように、願いを込めてお祝いする行事で、江戸時代から続いているならわしです。

鯉のぼりは、江戸時代に町人階層から生まれた節句飾りです。鯉は清流はもちろん、池や沼でも生息することができる非常に生命力の強い魚です。その鯉が急流をさかのぼり、竜門という滝を登ると龍になって天に登るという中国の伝説「登竜門」にちなみ、子供がどんな環境にも耐え、立派な人になるようにとの立身出世を願う飾りです。 

五月の薫風を胸いっぱい吸い込んで悠々と空を泳ぐ鯉のぼり。見上げる子供たちの瞳はまぶしいばかりにキラキラ、夢と希望に輝いています。

男の子の誕生を祝い、立派な成長を願う親心は昔も今も変わるところがありません。滝のぼりをする鯉は、元気な出世魚とされ、これにちなんだ鯉のぼりは、子供たちの限りない将来を託すにふさわしい縁起物として重宝されています。
鯉のぼり 鯉のぼりの素材には、大きく分けてポリエステル系とナイロン系があります。

素材によって、色あせが違いますが、ポリエステル繊維のものは、特別の圧力(3kg、140℃、35分)をかけて、発色定着をしておりますので、5~8年程度は色あせせずにお使いになれます。
定着処理(1kg、115℃、40分)をしたナイロン繊維のものは2~3年で色あせがはじまります。

※ご使用の状況・環境により耐用年数は異なります。
鯉のぼり ■鯉のぼりの揚げる期間は、4月下旬から5月5日子供の日前後より6月5日の端午の節句のお祝いの日まで揚げてください。地域により若干違います。
■鯉のぼりの口金を取り付け、紐をしっかりと結んでください。風の強い時、紐がゆるみ飛ぶことがあります。
■ポリエステルやナイロンでできている鯉のぼりは、雨でも色落ちするようなことはありません。ただし、ナイロン素材の鯉のぼりは、濡れたまま重ねた状態で放置しますと色移りの原因となります。(ポリエステル素材の鯉のぼりは色移りの心配はございません)酸性雨などの影響で汚れが染み付いてしまう場合がありますので、雨の日には揚げないようにしましょう。もし、雨に濡れた場合には、なるべく早く、よく乾かしてください。
■鯉のぼりは、朝方揚げて、夕方に降ろしてください。できるだけ雨・露にあたらないように気をつけてください。いたみが早くなります。
■鯉のぼりは、なるべく杉の木か、竹竿にて揚げてください。金属ポールにてあげる場合は、電線の近くに立てないでください。
鯉のぼりの洗い方 ■収納する時は「揚げ方」の逆で、順番に取り外します。「口金具」は鯉につけたまま収納していただくと、翌年揚げる時に便利です。
■良く晴れた日に、十分乾燥させてから、たたんで収納してください。
■鯉のぼりをしまう時は、よく乾かしてほこりを落とし、なるべく乾燥した場所へ収納してください。
■洗濯機・クリーニング等の使用は絶対にしないでください。汚れた時の洗濯は、汚れた部分のみ部分洗いをお奨めします。洗い方は、お風呂の浴槽等に液体の中性洗剤(漂白剤の入っていないもの)を入れて、つけおき洗いをし、ぬるま湯で手洗いをします。そして、洗濯後はすぐに干してください。
(※金箔付鯉のぼりは、こすると金箔が剥がれるので、こすらないでください。また、水につけますと、多少金箔がうきますが、実用上問題はありません。汚れの目立たない場合は、洗わずによく干しておしまいください。)
■ポール等は、汚れを落とし、乾いた布等でよく拭き、矢車や滑車部分の可動部分には注油してからしまうようにしてください。